妾(わたし)の感想日記

徹頭徹尾女(自分)目線の感想文

女と仕事と「可愛い」ということ ルミネ炎上CM

感想日記と称して始めたこれが3ヶ月で3回目の更新です。一銭にもならない文章でも書く喜びを糧にズバババッとと書いてしまう世のブロガーさまは本当 に凄いと思います。私は金がからむ文章ですら書き始めるのが嫌で嫌で、いつもPCの前で身をくねらせているだけで一日が終わります。くねくね

 

ところで数日前、ルミネの新CMがセクハラを肯定するような内容だと大炎上したようです。パート1だけ見た。

ルミネCMの何がダメなのかわからない人向けにまとめました。 - Togetterまとめ

 

しかしなんでルミネは中途半端に「働く女子を応援」みたいなこと言い出したんですかね。

ルミネという世界(というか服飾・美容に関わる業界)は、可愛く(≠おしゃれ)してスクールカースト中の上以上をキープし、それによって十二分に利益を得て、これからもそこに投資する気まんまんな層をメイン顧客やらスタッフやらにしてきたのではないでしょうか。

これまでの広告も、そこの人たちが同一化できるようなものに仕上がってたじゃないですか。なんで今回のシリーズでは、「勤労女子」とかいう異様に広いカテゴリをたててしまったのか。

最大の問題は、勤労女子の応援なるものを、「あなたの可愛い度数を上げますよ、それでメリット得られますよ!」っていうスクールカースト的発想のままやっていることですよ。

服 飾・美容業界以外では、通常「可愛い度上がる→職場環境がよくなるor勤労による負荷が下がる」ということはあんまりない。むしろ可愛くするのに体力と金 と時間を使ったら生活の質は下がる。にもかかわらず無理やりこじつけるから、「①可愛くした②自信ができた③異性の評価が上がった④いろいろ全部うまくい く」みたいな陳腐な少女マンガとかレディースコミック的なストーリー(ただ、スクールカーストで恩恵を受けてきた層には説得力があるだろう)ができちゃうのですよ。①と③の関係には必ずしも②は必要ないし、②と③と④がつながるような虫のいい展開は多くの勤労男女から「マンガかよ」と鼻で笑われるでしょうし、③と④がつながってしまうのは間違いなくブラック要素強めの職場でしょう。実際、あらゆる方面から総ツッコミ。

勤労女子を応援したいなら、マルイの「らくちんキレイパンプス」とか、一部の癒し消費業界とか、ド直球で負担を軽くしてあげる方向に行くべきでしたね。

でもこの問題が、これほど速やかに炎上・幕引きされた経緯を見て、勤労女子や女子が職場にいる状態がかなり普遍的なものになってきてるんだなあとちょっと感慨深くなりました。

20世紀末とかなら、スクールカースト的価値観が女子の人生全般を覆い尽くしていて、こういう表象に誰も疑問を持たないし、疑問を口にしても誰にも聞いてもらえなかったでしょう。でも今は、「ねえよこんなの」という言葉が男女双方から発せられ、実際に状況を動かしているわけで。

今回の騒ぎからは、女子の世界が「可愛い」以外にも大きく広がっているという意識が共有されてきているのが見えるようにも思います。私が若い頃よりずっとマシになってますよ。

上位スクールカースト出身の若年女子にとって、「可愛い」がもたらす利得は今後も甚大なままでしょうが、この分なら現在の悩める非上位スクールカースト女子も、それなりに生きやすくなっていくんじゃないでしょうか。

 

ところで、ルミネが参考にすべきだったのは、むしろ下のマンガみたいな世界だったんじゃないかと思うのです。

『女の友情と筋肉』KANA | ツイ4 | 最前線

女の友情と筋肉(1) (星海社COMICS)

女の友情と筋肉(1) (星海社COMICS)

 

このマンガには、 可愛いかどうかは(客観的に)知らんが、ゴリゴリ生きたいし愛されもしたいという女子の思いがあふれていると思います。

でも今日は力つきたので後日(来月か)。